IT社会とはいえイベントや広報の場面では、パンフレットやチラシなどの紙媒体は、
- その場で手に取って閲覧できる
- パソコンやスマホなどのデバイス、インターネット環境に依存しない
- 手渡しによる訴求力の大きさ
上記のような理由から依然変わりなく一定の需要があります。
小規模の団体やイベントなどでは担当者が自作する場合もありますが、本格的なものを用意するとなれば、制作会社への依頼が必要となる場面もあります。
その際に、「パンフレット」「リーフレット」「チラシ」「フライヤー」など名称の似ているものが多く、「どれを発注したらいいのか?」迷うことも多いようです。
この記事では、それぞれの違いはもちろん、使用目的や制作にかかる期間・費用などをご紹介しています。
パンフレットとは
WikipediaによるとUNESCO(国連教育科学文化機関)は「表紙を除いて5ページから48ページまでのもの」と定義しているとあります。(Wikipediaに出典の記載はありますが、明確な情報元は不明です。)
ただし一般的にパンフレットとは、「表紙のカバーがない、ホチキス留めされた簡単な冊子のこと」として良いでしょう。
サイズはA4~A5サイズの用紙で、商品・サービス・組織の紹介や説明、宣伝などに用いられます。イラストや写真を複数使用して、文章によって詳しく説明するというよりは、直感的に視覚に訴えるような構成になることが多いです。
パンフレットの用途
パンフレットが使用される場面には、以下のようなものがあります。
- 商品・サービスの紹介
- イベント・展示会の広報
- 観光客向け地域情報の提供
- 学校法人・教育機関の案内
- 公共機関・非営利団体の活動紹介
- 商品・サービスの販促
上記以外にも、商品の説明書などにも利用されることがあり、いずれも先述の通り、「図表で直感的に視覚に訴えるような構成」が効果的な場面で用いられることがわかります。
パンフレット制作にかかる費用
ページ数にもよりますが、パンフレット制作の相場は、20万円~50万円ほどを見積もっておくのが良いでしょう。制作内容の内訳は下記です。
- デザイン制作
- ライティング
- 印刷
デザインは、パンフレットに記載する内容のレイアウトはもちろん、図表やイラスト、全体のトーン調整などが含まれています。パンフレットに使用する紙の種類(光沢や厚さなど)の選定もこちらに含まれます。
ライティングについて発注者と制作会社が打ち合わせしながら、各見出しや文章を制作していくことに加え、コピーライティングなどの費用がかかることもあります。
最後に印刷費用です。パンフレットを制作する場合に1~10冊程度しか必要ないというのは考えづらいので、最低でも1冊あたり50~100円と見積もって、必要部数分の料金がかかります。
当たり前ですが、デザインにこだわればこだわるほど費用は高額になります。その他の要素は、デザイン制作の手間はもちろんですが、テキストも基本的には文字数で費用換算し、印刷についても手触りの良い高級な紙を選べばその分高額となります。
リーフレットとは
リーフレットは主にパンフレットと同様の目的で用いられる1枚のみの印刷物の総称です。
リーフレットの用途
リーフレットは先ほども述べたように、パンフレットと同じ目的で使用されることが多いです。
- 商品・サービス・組織の紹介や説明
- 商品・サービス・組織の広告や宣伝
パンフレットは複数ページにわたって構成されています、また、一度手に取ってページをめくることが求められるので、比較的多くの伝えたい内容を詳細にわたって伝えることができます。
一方リーフレットでは、パンフレットと比べると必然的に記載できる情報量は少なくなってしまいます。そのため、より簡潔にわかりやすい内容で作成する必要があります。
リーフレットは手軽に見てわかるものが求められるので、メニューやタイムスケジュールの一覧など、概要を端的に伝えるのに優れているとも言えるでしょう。
普通のA4サイズの用紙に文章を打ち込むと、Wordでは1440文字となります。リーフレットは3~4つ折りで制作されることが多いので、6~8つの面ができます。表紙を作成するとなると、表面は5~7面になるので、図表が挿入されることを考えると、1面あたり200から多くても600文字程度で作成することになるでしょう。
リーフレット制作にかかる費用
リーフレットの制作費用は15~30万円ほどを見積もると良いでしょう。パンフレットと比べると制作する内容やページ数自体も小さくなるので、比較的安価に制作することができます。
費用のかかる内訳もパンフレットと同様に、デザイン・ライティング・印刷の3点が挙げられます。
パンフレットとリーフレットの違い
ここまでの内容をまとめると、パンフレットとリーフレットの違いは大まかに下記のようになります。
- そもそもパンフレットは複数ページで、リーフレットは紙1枚
- パンフレットはじっくり読む用、リーフレットはさくっと見る用
- 費用はページ数の分パンフレットの方が高くなる。
このように、単純に名称や定義が異なるのはもちろんですが、詳細まで伝えられるパンフレットと、より可読性に優れたリーフレットとでは、明確に用途の違いがあることもわかります。
一度細部まで工夫して制作したパンフレットであれば、簡単に切り替えたり、すぐに使わなくなってしまうのは勿体無いため、長期にわたって利用できる場合が適しているでしょう。それを念頭に作成すれば、デザイン費用などもあまり高く感じないかもしれません。
一方リーフレットは比較的手軽に用意できるので、手渡し以外にもポスティングやキャンペーンの告知などにも適していると言えるでしょう。