何かしらの団体に所属している人向けに発行される小冊子、「会報誌」。主に同好の士の中で読まれることが多く、読者層を想定しやすいのが特徴です。読者にとっては利益になる情報が得られ、企業にとっては自社ブランドや商材のアピールにもなる会報誌。双方にメリットのある質の高い会報誌を制作しましょう。
会報誌とは何か?
会報誌は英語で言うと「Newsletter」。その字が表すとおり、手元に届ける形で発行されることが前提の小冊子です。
何らかの団体に所属している人に向けて限られた範囲内で発行され、定期的に届く会報誌を心待ちにしている読者も多いのが特徴です。
会報誌と広報誌の違い
広報誌は基本的に不特定多数が閲覧することを前提で作られています。読者が自ら広報誌を手に取ることが多く、読んでもらえるかは読み手次第。店頭や関連施設などに配置し、自由に持って行ってもらうのが一般的です。自治体発行の広報誌などはポスティングされることもあります。
これに対し、会報誌の主な配布方法は郵送です。読者の家まで確実にお届けされます。特定の団体に登録・所属している会員向けのため、自動的にターゲットが絞られます。
会報誌の意味と内容
会報誌には定期的な情報提供により、所属している会員と団体との関係を維持していく意味合いがあります。会員がお得になる情報、会の活動報告、会員同士の交流などが会報誌の内容になるでしょう。最終的には「この会に入っていてよかった」「次の会報誌が楽しみだな」と思ってもらえれば大成功です。
会報誌の種類
会報誌にはいくつかの種類があり、それによって読者層が絞られます。読者が必要とするコンテンツを充実させることで満足度や信頼関係を満たすことが出来ます。それと同時にスポンサーを募って的確な企業アピールや広告を展開することが可能です。
大学の卒業生向け会報誌
大学の卒業生向け会報誌は、特に上位大学で盛んです。上位大学はOBOG会員のコミュニティが存在し、卒業校に誇りを持っています。このため卒業生向け会報誌にはしっかり目を通す人が多い特徴があります。
卒業校にちなんだ専門性の高い職業のコンテンツや社会情勢などのコンテンツ、知的好奇心を満たすコンテンツの需要が高いでしょう。経済的に余裕があり「価格が高くても高品質の物」を求めている人が多いようです。
特定の業界人向け会報誌
医師、教師といった特定の職業の人向け会報誌です。その業界に合わせたコンテンツやコラム、論文紹介が充実しています。業界によってはファッション業界や美容師向け、介護業界向けなどかなり専門性の高い会報誌になります。その業界での成功者や著名人への取材、イベントの紹介といった内容も求められます。
自分の関わる業界の動向を常にキャッチしておきたい人が多いため、会報誌の情報を精読してくれることが多いでしょう。
カード会員向け会報誌
クレジットカード会員向け会報誌です。一般的にはゴールド、プラチナなど一定以上のランクのカード会員向けに発行されます。カード経由での買い物やネット通販でのお得情報など、カード会社や店舗と連携してお得なコンテンツを発信できます。
クレジットカードを使用する場面は多岐に渡りますので、商品購入の他に様々なサービス利用でのメリットを紹介できます。読者はお得な情報を得られる満足感が高く、隅から隅までしっかりチェックしてくれます。
通販会員向け会報誌
現在では通販もネットが主流となりましたが、紙媒体のカタログには未だ需要があります。ネットの通販サイトを思いだしてもらうためにも、定期的な会報誌は非常に有効です。
商材のカタログ形式にする他、コラムやプレゼントなどで会報誌を充実させることが可能。通販で使える割引特典を入れたり、読者の写真投稿といった交流もおすすめです。
通販会員はそのブランドの品に魅力を感じていることが多いので、会報誌を通じて再度ブランドをアピールしましょう。
ファンクラブ向け会報誌
芸能人や著名人のファンクラブは、常にその人物に関する新鮮な情報を求めています。コンテンツに事欠かない会報誌ですし、オリジナルグッズやファンクラブ限定イベントなどの紹介はファンの満足度が高いでしょう。
人物ではなく伝統芸能やスポーツといった活動そのもののファンクラブもあります。いずれもファンの傾向が似ているため、コンテンツを組み立てやすい会報誌です。
趣味のコミュニティ向け会報誌
主に習い事を行っているスクールや団体が発行することが多い、趣味のコミュニティ向け会報誌です。読者の好きな趣味について分かっているため、コラムやプレゼントなどの企画がしやすいでしょう。
もともと好きな趣味に関する内容が充実していますし、自分の所属している団体に対する信用があるため、会報誌を楽しみにしている読者がとても多いようです。
会報誌を制作するメリット
通常の広報誌や広告と違い、会報誌は自らの希望で何らかの団体に所属している人へ届けられます。そのため、多くの読者は会報誌に対して最初から親しみや好意的な感情を持っています。会報誌で所属団体の活動やPRをすることで、活動内容や商品などをより身近に感じてもらえるでしょう。企業のブランディングに役立ちますし、読者に伝えたいことがダイレクトに届くのが何よりのメリットです。
また、読者からの反響や団体側との交流により、関係性の強化やより一層の信頼関係を築くことが出来ます。
会報誌を発行することは経済効果を促すメリットもあります。会報誌の中に直接広告を掲載することもできますし、会報誌と一緒にカタログやサービス提供の広告を封入することも可能です。スポンサーを募り、タイアップ記事や取材といった形のコンテンツを会報誌の目玉企画にすることも出来ます。
会報誌は所属団体によって購読者層が想定しやすいため、通常の広告より高い反響を得られるのが特徴。読者が必要としているだろう商品やサービスを掲載することで、広告本位ではなく読者が最優先されます。
会報誌を作る6つのコツ
せっかく会報誌を作るならたくさんの方に読んでもらいたいですよね。読者と発行元との関係を深める会報誌を作るために必要なコツを6つご紹介致します。
①読者層と目的を明確にする
会報誌は比較的狭いコミュニティ向けの発行物ですから、読者層が想定しやすいのは利点です。年齢や性別、職業、生活スタイルなどを細かく想定してペルソナを作りましょう。また、会報誌の目的も明確に設定します。
読者との交流や関係強化のみを目的とするなら、「販売や宣伝などの広告は一切掲載しない」といったスタイルにもできます。
例えばクレジットカードの会員向けのように読者層が幅広く想定されるものもありますが、「カードを使ってお買い物をする人」が読者層として見込まれます。目的のひとつに販促があるなら、季節やイベントに合わせたおすすめ商品や、カードで買い物をするとお得になる情報の掲載などが考えられます。
②読者にとって有益であることを最優先する
読者層が想定しやすいからといって、広告ばかりの会報誌では読者も不快になってしまうでしょう。会報誌はあくまで読者主体。読者にとってためになる有益なコンテンツを考え、コラムや取材も取り入れて楽しい会報誌を作りたいものです。
③読みやすさや探しやすさを意識する
字体、デザイン、余白といった誌面の見やすさも意識します。目次を一目見ればどこにどの情報が載っているのか分かるのがベスト。コンテンツが多い方が充実した会報誌になりますが、詰め込みすぎると読者が途中で読むのをやめてしまうかもしれません。最後まで読んでもらえるように、読みやすい誌面作りを意識しましょう。
④読者との接点を作る
せっかくの会報誌ですから、発行元である団体や企業と読者が交流するコンテンツを設けましょう。お便りの投稿でお返事を書いたり、疑問・質問にお答えするコーナーを作ったり…工夫次第では会報誌の誌面でたくさんの接点を作ることができます。普段そういったことができない企業でも、一方通行ではなく読者と意見を交換できるのが会報誌のいいところです。
⑤費用対効果や予算を考える
一切の広告を載せないという選択も可能ですが、会報誌は基本的に広告を非常に載せやすい媒体です。直接的な広告ではなくても、コラムや商品紹介といったコーナーで自社製品やサービスのアピールをすることが出来ます。会報誌を作ることで売り上げや顧客の満足度が上がれば、自然と経済効果が高まります。
最初に会報誌を作る場合、反響や具体的な売り上げ向上の数字は全く分かりません。無理なく会報誌に掛けられる予算を設定し、会報誌を継続的に出す場合は読者の反響を受け止めて軌道修正していきましょう。
⑥デジタル媒体もあれば完璧
スマホでのコンテンツアクセスが圧倒的に多い昨今。読者からのお便りや写真の投稿は、デジタル媒体で受け付けられるのがベストです。メール投稿のための送信フォームおよび確認体制の設置は必須でしょう。会報誌の形態として最も多いのは紙媒体ですが、紙媒体の他にデジタル媒体での展開もあると読者は喜びます。出先でお得な情報を確認したいときなど、デジタル媒体さえあればいつでもアクセスできますね。
会報誌制作の実際の制作工程
それでは、会報誌作成のための具体的な制作工程をご紹介致します。何もない状態で一から会報誌を作るのは大変かもしれませんが、少しずつ確実に行えば大丈夫です。
会報誌の目的、読者層を設定する
前述どおり会報誌の目的と読者層を設定します。これがなければ会報誌を作ることができません。会員データを元に、どのような情報なら読者に喜んでもらえるかを考えましょう。
おおまかな年間スケジュールを決める
会報誌を年に何回作るのか策定します。毎月発刊するのは大変なことですが、季節ごとのイベントなどに対応しやすくなります。春夏秋冬の季刊もポピュラーです。これが決まれば掲載するコンテンツの締め切りなどを想定できるようになります。
どのようなコンテンツを載せるか立案する
会報誌で最も多いコンテンツはコラムなどの文章です。その他イラスト、漫画、写真、レシピといった様々なコンテンツが考えられます。自社の個性や目的に合わせたコンテンツを立案しましょう。誰に依頼するのか、イベントなどの「お知らせ」形式にするのか、取材は必要なのかも同時に考えます。
原稿や取材の依頼を行う
原稿や取材は締め切りに余裕を持って依頼します。発行スケジュールから逆算し、自分たちで準備できるもの以外は的確に外部に依頼していきましょう。
取材・撮影を行う
コンテンツに必要な取材や写真撮影を行います。コンテンツ制作の場合、取材内容を録音しておき、後から文章を起こすこともよくあります。
取材に基づき原稿を執筆する
取材が必要だったコラムは、取材に基づいて原稿を執筆しましょう。コンテンツ制作会社に外部発注する場合、取材・編集・原稿執筆一切を代行してくれる会社もあります。
全体の編集やデザイン
編集されたコンテンツを実際の誌面に合わせてレイアウトし、読みやすいようにデザインしていきます。
校正・校閲作業
誤字脱字はないか?掲載情報に誤りはないか?といった細かな校正と校閲作業を行います。
色校正・印刷・発送作業
写真や表紙の色が思っていたものと違う!というトラブルを避けるため、印刷前は試し刷りや色調補正で見た目の色を校正します。印刷・製本ができたら、あとは会報誌の発送作業です。
「読んでもらえる会報誌」を作ろう
企業や団体の熱い思いが詰まった会報誌。読者にしっかり読んでもらうために、ぜひ頼ってもらいたいのが「コンテンツ制作会社」です。会報誌を印刷・製本するだけなら一般的な印刷会社に依頼することもできますが、一体どこが違うのでしょうか?
読みやすさやデザイン性を重視
会報誌を読んでもらうための最大のポイントは「読みやすさ」。特に複数のコラムを誌面に配置して仕上げる会報誌は、普通の人が上手にやろうとしても中々大変です。昨今では会報誌制作をサポートするさまざまなソフトやアプリが存在しますが、使いこなすのにも人材が必要です。特に冊子のデザインは数をこなしたプロが手掛けると、段違いの垢ぬけたデザインになります。
外部発注なら編集・校正をお任せできる!
まとまった部数を印刷する場合、本格的な会報誌は外部発注するのが基本です。特に印刷だけでなく編集・校正までしっかりサポートしてくれるのが「コンテンツ制作会社」。会報誌に掲載予定のコンテンツを編集制作するのはもちろん、配置やフォント調整、見出しのデザインといった編集もお任せできます。また、誤字脱字といった校正やアドバイスも行って、会報誌制作を総合的にサポートしてくれるのも特徴です。印刷会社に依頼すると印刷・製本をメインで行いますが、コンテンツ制作会社なら編集やデザインが加わり、よりレベルの高い会報誌になるでしょう。
外部発注する際のポイント
印刷会社よりコンテンツ制作会社の方がメリットが大きい点を挙げましたが、ひとくちにコンテンツ制作会社といっても得意分野が異なります。こと会報誌に関しては、紙媒体による冊子制作の経験・実績が多いところへ発注するのがポイントです。
今まで紙媒体の冊子を制作したことがあるのか?コンテンツ制作の依頼はどこまでできるのか?予算に見合った提案をしてくれるか?といった点を確認し、納得いくコンテンツ制作会社を選びましょう。
総合コンテンツ制作会社P.M.A.トライアングルは、会報誌をはじめとした紙媒体の発刊に力を入れてきました。外部依頼の編集業務はもちろん、自社媒体の発行で冊子制作の実績が多数ある会社です。
会報誌はコンテンツ制作会社だけが頑張ってもいいものはできません。ご依頼主さまの目的や要望に応え、綿密なやり取りで納得のいく会報誌を制作致します。読者最優先の質の高い会報誌を制作するなら、発行物に絶対の自信があるP.M.Aトライアングルにお任せ下さい。
読者側にも発行側にもメリットのある会報誌を制作しよう(まとめ)
会報誌は広告が好意的に受けとめられるという特徴を活かせば、高い経済効果と宣伝力が得られます。しかし、会報誌の本質はそれだけではありません。会報誌は発行側と読者の関係性を深めることができる大切な冊子。完成度が高く双方にメリットがある会報誌を発行して、読者の方にたくさんの有益な情報をお届けしましょう。